セロ弾きのゴーシュ

またyoutubeで申し訳ないのですが、アニメの中で一番好きな作品がアップされていたので紹介しておきます。まずは原作に目を通していただいてから、
宮沢賢治 セロ弾きのゴーシュ
ご覧いただきたいと思います。
ゴーシュは僕は原作のイメージではもう少し年配のイメージでした。これは演出・監督の高畑勲さんの意向によるものが大きいと思うのですが、短期間でゴーシュの音楽的な成長(人間的な成長)がありうる年齢として、少し若い青年のイメージで作られていると思います。台詞はほとんど原作のまま(捕捉も終わりのほうに若干ある。)なのですが、楽長の人物描写、ベートーベンの肖像画、「田園」の音楽の使い方*1、毎晩訪れる動物の描写など、いろいろと良く練られた解釈で面白いと思います。
詳しく知りたい方は、これを読むことをお勧めします。

映画を作りながら考えたこと

映画を作りながら考えたこと

さらにアニメ技術的にも、ものすごく丁寧に作られている作品である事がわかります。特に、音楽との同期がアニメ作品の場合難しく、とても手間がかかるのですが(のだめのアニメの省力っぷりがよくわかる)、これは弓順・ポジション移動に至るまで比較的正しく丁寧に追っていてすごいです。ディズニーの「ファンタジア」のオマージュと思われる場面、アニメ的に面白い動きを追求した場面と、あと背景の水彩画的な色彩がキレイ*2です。
これらが矛盾なく調和していて、最後のクレジットが終わるまで自然に見られる稀有な作品だと思います。本当に名作だと思います。
音楽に関して捕捉:原作に登場する「インドの虎狩り」や「愉快な馬車屋」は元々架空の楽曲ですが、音楽を手がけた間宮芳生が新たに作曲したものを使用しているようです。







もし差し支えなければ、感想など残してくださると幸いです。

*1:ここで「田園」のこの部分を使うのかという面白さ。

*2:椋尾篁さんの作品、納得です。