ストラディバリウス

10月31日起きて、武道館近くの科学技術館へ自転車で行ってきた。10時開場の弦楽器フェアがあるのだ。入場料はかかるが、いい楽器に直に触れることができる又とないチャンスだ。
早速目当てのブースに行った。新作楽器の展示のところに行って弾いていたら、展示のところにいるお姉さんが僕の弾きかたを見て、いい弓(フロッグ部分がべっ甲製)を持ってきてくれた。
ガスパロ・ダ・サロ、ストラディバリウス、ガルネリウス(バイオリンとビオラ)、ガダニーニが並んでいる。その更に横にはモダンイタリーのFagnolaが置いてある。
ガスパロ・ダ・サロから弾かせてもらった。裏板に装飾がされていて、綺麗な楽器でさすがという感じだった。音は確かにオールドの音で、ほとんどといっていいほどそば鳴りがしない。10分近く弾かせてもらった。今のバイオリンの原型を作った人の作品ということで、歴史的価値のあるものだろう。この人の作品で有名なのは、「悪魔のバイオリン」というのが有名ですが、これに関してはまたにする。
そしてストラディバリウスを弾かせてもらった。手に持つだけで緊張する。ストラディバリウスは優しい音色の印象だった。80才台になってからの作品で、パーフリングに甘さも見られるのだけれど、弾いていると全く気にならない。20分位弾いていた。できるだけ楽器の響きを引き出すように、高音を弾くとそば鳴りがしないためか耳元がやけに静かに聴こえる。だけど離れている人には届く遠鳴りらしく、5m位離れていた人には、高音がすごくいい音が出ていたと褒められた。この楽器は、表板が2枚でできていてf字孔も左右対称ではないけれど、それも制作上の挑戦だったのか、と思わせられる。
続いてガルネリウス。全盛期の作品で見た目もとても綺麗な楽器。こちらの方が全体のバランスはいいのかな。ストラディバリウスに比べてパワーがある感じ。低音がいいな、と思った。これも耳元は静か。20分位弾かせてもらいました。
ガダニーニもバランスがいい楽器だった。遠鳴りがしてこういう音がいい音なのかと分かる感じ。20分位弾かせてもらいました。
それぞれの楽器に音の出し方を勉強させてもらうつもりで、丁寧に弾かせてもらいました。
Fagnolaは、モダンイタリーで最も評価の高い作家で、確かにいい楽器だった(何とお値段800万)けれど、やっぱりこれらのバイオリンの中では、新作楽器の音がしていた。倍音成分がやっぱりきちんと出ていて、本当に素晴らしい楽器だった。
更に、M地楽器のコーナーに行って、菊田さんのバイオリンを試奏させていただいた。菊田さんのバイオリンは、優しい音色の楽器でどことなく透明感のある音だった。高橋さんのバイオリンはちょっと独特の音かもしれない。甘さのある音。天野さんのバイオリンは、はっきりとした明るい音で、僕が今使っている楽器に近い音がする(多分現在使っているものの方がいい音だとは思う)。こちらご三方のバイオリンは、菊田さんは4年、高橋さんは1年、天野さんは2年待ちだそうだ。
モラッシさんのブースや他にもいろいろ見て周りました。途中園田さんのブースで、弾いているところを写真に撮られてしまったり、ピチノッティさんと話をして、中学の時のイタリア語会話見ていたのが役に立ったりと色々あったのですが、割愛させていただきます。
結局10時に行って昼ご飯も食べずに3時過ぎまでという強行日程でしたが、本当にいい体験をさせてもらった気がします。
夜、レッスンに行ったら、いい体験をさせてもらったねと先生に言われた。確かに弾いた後で音の概念は変わるというのが分かった気がした。