司会の入口

司会はどんな場や相手であれ,その場の参加者を飽きさせないこと。
事前にその場に参加して,「私はお義理で参加してるのよ」「時間の無駄」という表情を見ると,その退屈な時間を俄然面白くしてやろうと思う。
ファシリテーションの勉強を勝手に始めたのは,3年ほど前のことになる。
当然,仕事の場でも要求される内容で,最初は上手くできないし,失敗は数知れないのは当然だろうと思う。
ダメだしは労力がいるので,箸にも棒にもかからなければ,お座なりのコメントや何も言われない場合がほとんど。

自分自身は,もともと口下手で話が上手くない自覚があるので,才能のある上手い人が羨ましくてならない。

ただ,参加した会議で,自分が参加していて面白くないし,事前に参加者に雑談の中で僕が訊いていた意見が満足に言えていないのは勿体ないと思った。結果的に,会議で出る結論すら変わってしまうのではという恐ろしさも感じた。
自分なら別の運営方法でやるというイメージが,感覚として見えていた。
その感覚が正しいのか,いろいろヒントにしながら磨き上げるしかない,と思った。

たまたま一昨年に実際にプロのファシリテーターの青木さんに来ていただく機会があって,実際に見せてもらった。
http://www.aokiworks.net/
自分がやるなら,と考えながら本質を考える。青木さんの著書も読ませていただいた。
その後に本屋で10冊はファシリテーションの本を立ち読みすると,要点の本質が絞れてくる。
「テレビなんてくだらないから,NHK以外は見ない」「テレビは見なくて十分」という人もいるけれど,ファシリテーション・インタビューの視点で見ると,バライティ―番組や生番組,朝イチの金曜日,徹子の部屋,仁鶴さん,マツコさん,さんまさんの番組なんていうのは無料の教材で,すごく勉強になる。
また,実際に練習する場としては,仕事で構えた固定された相手だけに練習しても技量は上がらないので,飲み屋の店員さんとお客,理髪店の理容師さんとお客,暇そうなショップの店員さん,暇そうなキャッチのお兄さん・お姉さんは,いい練習の場でもある。同時に,話していると,視点がとても面白いことに気付いた。

そういう練習をしていると,全体を考えるようになる。
下準備のポイントや,事前の声のかけ方,話の回し方や,意見のきき方,コメントの返し方,切り返し方,時間の配分,突発的なアクシデントにも対応できるようになってゆく。
やっと最近,「司会・議長を頼んでよかった」と後でこっそりフィードバックを受ける確率が上がってきた。多分,ようやくスタートラインに立てた位なのだろうと思う。
練習台になってくれた人には,迷惑をかけたと思うと同時に,感謝をしている。
もう少し良くできるだろうと思いながらの,長い自分との戦いだろうと思う。