薄田泣菫
最近読んでいるものでは,薄田泣菫の文章が面白い。
「茶話」は新聞コラムの嚆矢であり,まぁありとあらゆる情報が詰まっている。その情報を,ひねりを入れながらも歯に衣きせぬ物言いでバッサバッサと切ってゆく様子が,限りなく痛快で面白い。歴史上のありとあらゆる人物が題材となっていて,現代でもこれほどものが書ける人はいないのではないだろうか。
読売新聞の竹内政明さんよりも上では,と感じる人である。
文字数を限った中での構成力という意味では,竹内さんの発想展開の仕方は天才的であり,編集手帳は楽しみに読ませていただいている。ただし,現代であるが故の文字数や題材の制約が大きすぎる。
時代要因を持ち出すのは反則だが,こんなにも自由に展開している短編作品(コラム)があるだろうか。
先は長いがこれくらいの文章が書けるようにならなければなあ,と思う。
岩波文庫でも出ているが,完本を買った。これはみんなぜひ読むべきだ。
- 作者: 薄田泣菫,谷沢永一,浦西和彦
- 出版社/メーカー: 冨山房
- 発売日: 1983/11/25
- メディア: 文庫
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