写楽展

14日の東京行きの際に見に行ってきた。
写楽は突然彗星のように現れ、10ヶ月で忽然と消えたが、作風から大きく4期に分けられるようだ。
我々が写楽としてイメージする写実に根差しながらもデフォルメされた大首絵は、第2期に分類されるようだ。
第1期から第4期まで、写楽の絵にずっと踏襲されているのは、写実性だ。
第1期、第4期などは、全体の構図的にはほかの浮世絵作家と比較しても全く新しさがないけれど、表情の写し取り方がやはり独特なのだ。
そして、大首絵を描いた第2期の姿勢のデフォルメの仕方が、後の浮世絵作家に影響を与えてしまった位、一番強烈な独自性を持っているのだ。
やはり姿勢のデフォルメ具合がすごい。葛飾北斎の描いた北斎漫画はすごく線が生きていて、体の使い方や姿勢のとらえ方がすごいのだが、そのデフォルメは写楽の第2期の強烈さに比べると霞んでしまう印象だ。
構図、姿勢の切り取り方というかが、極端すぎてお下劣になってしまう、その一歩手前のギリギリのところでバランスを取って踏みとどまっている感じなのだ。
浮世絵は礫川美術館や、上野の常設展、神保町の古本屋でいろいろ見たけれど、写楽の全体像は見れていなかったので、見ていて飽きなかった。出口に着いてから再入場してもう一度見返した。