感覚と理性

響きあう脳と身体 (新潮文庫)

響きあう脳と身体 (新潮文庫)

を最近読んだ。
大学でバイオリンをやって、自分なりに研究してきた事を文章にしてくれたと思って、大変読んでみて面白かった。
要は
①「いわゆる理科的な1つのパラメータでの解析での身体操法には限界がある」、
②「制約と自由の問題。そのバランスの取り方に関して。」、
③「ブレイクスルーを生んで新たな体系をつくりだすのに、今までの①のような理科的学問体系は不向きであるのではないか。そのブレイクスルーを意識化できるか?」という内容。
①バイオリンでは僕は、まず一度後輩に2〜3パラメータでの複数解析を個人分奏で行うように指示していた。その解析が終わり次第、不必要な部分を統合して、一つの意識でのコントロールに一本化する、その解析と統合の繰り返しで、技術は進歩させることができる、という基本的アプローチだった。
②その中に、「ゆらぎを生むためのアプローチ」、とにかく遊んでとりあえず音をイメージして、普段とは逆に技術がどうとかいうことを頭から捨て去り,「できるかな?」と実際に試してみるアプローチを織り交ぜるアプローチの仕方である。これを自分でも行ってみて、時間がある際には,解析と統合の繰り返しのルーティンの中で,できれば取り組むように指示していた。
③ブレイクスルーに関しては、後輩がその瞬間を意識・自覚できるように仕向けた。これは、僕のバイオリン先生のコーチ術を目で盗んだといっていい。自分自身がそのブレイクスルーをした際にどのようなアドバイスをし、そしてその見極めにどのような観点が一番重要なのか、後になってから先生にそれに関する質問もした。
その内容は、今の段階では文章化できない、と思っていたのだけれど、先を越されてしまった。