学科ガイダンス

正直言って、ガイダンスに向かう足取りは軽くは無かった。
H郷進学は決まったものの、この科には専門科目を4単位以上落としていると、3年次の実験を履修できない*1という規則がある。体調を崩し、専門科目試験期間前一週間程はほぼ何も出来ず、実際に試験を受けれるかどうかも危ぶまれたあの状況で受けるだけ受けた試験。「とりあえず受けれたことがよかった」という気持ちに直後はなれたのだが、回復に従って、「結局遠回りをしてしまうんなら同じじゃないか」という気持ちもその後に夏の黒雲のように広がってきていた。
ガイダンスの前に、ガイダンスの資料配布が行われる。「おめでとうございます」と声をかけられて渡されたものの、いっそう複雑な心境になる。成績開示自体は10日からだが、実際の成績なんてもうとっくに付いているはずだ。最初の先生方のあいさつが一通り終わって、最後に専攻長の先生が、「本年度、学生実験を履修できなくなった人はいません。まだ成績の出ていない科目は1つ*2ありますが。もう既に全員履修条件に達してます。」と付け加えた。みんな割と平然と聞いていたけれど、本当に信じられなかった。
一時は、この一年の身の振り方についてずっと考えていた。教職と、TOEFLと、他に取れる資格を取って、学資は少なくともバイトで賄って…。オケは、親との約束で学業に支障が出たら即止める、ということにしていたから、こちらは親に内緒で維持することにして…。と延々と。色々な方面のことを、どう断るかのシュミレーションまでしていたし。
後で聞いたところでは、例年この規則に引っかかって実験を履修できない人が5人程出るらしい。(人数比にして9人に1人ということになる!)さらに、まだ成績が出ていないと言われた講座も、落ちることは無い*3ものなので、最も悪いケースで落としていたとしても1講座(2単位)のみということがこの地点で確定したことになる。
ただ単に、機会を与えられることが、こんなにうれしかった経験は、これまで無かったかもしれない。
いくら体を悪くしても、いくら逆境を与えられても、”考えること”までが出来なくなる危機を迎えたのは、今回が生まれて初めてだったから。今なら、その機会を生かせるだけの集中力も体力も持っている!この機会、無駄にはしない。

その後、安全マニュアル、ハラスメント相談所等の説明があり、集合写真撮影。
お昼を食べて、2時から何故かうちの学科だけ面接がある。
待ち時間の間に、新しい学生証をもらいに行った。
面接というのは、専攻長+教授陣20名位に、専攻理由などを訊かれるというもの。さすがに3方向からこうも大人数で囲まれると、さすがに緊張する。僕の場合は、それに加えて、実験時等の万一の対処について、留意してほしい点を説明するのにかなり時間がかかった。「講師全員での周知徹底を図りたい」との先生方の希望&配慮で書面を専攻長に後日直接持っていく、ということになった。
面接室を出ると、控え室でさっきまでワイワイガヤガヤやってたみんなが、一度にシーンとなって、こちらを注目している。自分は意識してなかったけれど、どうやら他の人とは桁違いに面接時間が長かったらしく、みんな心配だったようだ。
まぁ、こういう状況はもう10年近く何度もやってきていることだから、良くも悪くも慣れている。あとはいつもの僕のペースで話は運んだ。
疲れたけど、書面書かなきゃな…。

*1:つまりは3年生になれるけど…。その後の一年が決定する。

*2:2単位

*3:毎回提出していたレポート+テストの問いの内容からして。