新聞の集金のおばあさん

月終わり,または月初めに新聞の集金のおばあさんがやってくる。
留守が多いので,多分何度も来てくれているはずなのだ。かれこれ2年くらいだろうか。
「きっと何度も来ていただいてると思うので,留守で申し訳ありません。」
と言うようにしている。寒いのに申し訳ないなぁと思う。
そんなことを積み重ねていると,顔を見て,
「ちゃんときっちり食べなきゃだめよ。」
などと,アドバイスをもらうことがある。
不思議なことに,まあ大体自分の置かれている状況に当たっているので,まあありがたいことだと思って,その会話を楽しみにしている。
先月,ちょっと行き詰まっていた時,
「いろいろ大変だろうけど,あせってはダメ。」
と声を掛けられた時に,
「どうしてそんなことがわかるんですか。」
と聞いてみた。
「長年やっているけれど,新聞の集金にしても,いろいろな人がいるから。」
と笑って言う。何も仕事の話はしているわけではないのに。
「いろんな人がいるけど,新聞の集金ほど,人が見える仕事はないと思う。今は大変かもしれないけれど,あなたはきっとうまくいく。」
「そんなものですか。」
「そういうものですよ。今まで通り,周りの人を大切にね。」
妙に印象に残る言い方だった。
結果はまだ出てはいないけれど,助かるのはこうしてちょいと声を掛けてくれる人がいるからだと思う。

会社の守衛さんにしてもそうで,夜に帰るときに,
「夜遅くなってお仕事増やしてすみません。お先に失礼します。」というと,
「○さん,無理はしちゃだめです。平日の週に一回くらいは,早く帰った方がいいですよ。」
「そうですか。ありがとうございます。気をつけます。」
なんて,普通は言ってくれないよなぁ,と思う。

正直,自分自身のキャパシティは人一人で,大したことないなぁと思う。
周りあればこその自分。
ショッピングセンターの小学生に教えられることもある。