夜間飛行

最近、「夜間飛行」「南方郵便機」をまた読みたくなってしまった。
家から郵送してもらうことも考えたが、まあいいかと思って帰りに買ってきた。
多分、僕の精神形成に大きな影響を与えた本だろう。
最初に読んだのは、小学校の3年生だったか。
6月の小学校の研究会の際の待ち時間に、持って行って読んだ記憶がある。

夜間飛行 (新潮文庫)

夜間飛行 (新潮文庫)

なぜか心惹かれてしまって、3度ほど読み返した。中学・高校でも読み返している。
9歳の時に、果たして内容をどこまで解釈できていたかは正直疑問が残るが、空気感とでもいったらいいのだろうか、その表現に引き込まれたと思う。今読んでみても、確かに解釈という点では段違いなのだけれど、根源的な感性にはあんまり変わりがないのではないかと思う。
「星の王子様」という作品がある。
一般的に、この方が子供にとっては理解しやすいのではないかと考えられている。確かに、シンプルだし、わかりやすいし、優れた作品であることは認める。
http://d.hatena.ne.jp/kimi-ok/20050422/1114191783
ただし、一つ苦言を呈するとすれば、星の王子様の舞台が純然に砂漠や星であるということだ。子ども向けだから仕方ない部分なのだが、小学5年の時に初めて読んで、一つ物足りない点として感じてしまった。
要は、もっと雑然とした環境である実際の世界との関係性が希薄になっているということである。ごちゃっとした実際の世界を、飛行機に乗っていたり、砂漠で遭難したりした環境で、敢えて透徹した目線からとらえているところが本当は魅力があるのだ。
確かに星の王子様にもその目線は確かに存在するが、その実際の世界との関連性があった方が僕は好きだ。
ところで、装丁が変わりましたね。表紙は、昔とは変わって宮崎駿の絵になっています。