エイトマン

今日、車内で着メロがなった。
NTTのCMで使われているためか、最近流行っているらしい。8マン(テレビ放送では、フジTVと違う局の放送だったため、エイトマンと表記が変更された。)の歌であることを知らない人が僕の世代ではほとんどかもしれない。

エイトマン

歌/克美しげる 作詞/前田武彦 作曲/萩原哲晶

光る海 光る大空 光る大地
行こう無限の地平線
走れエイトマン 弾丸よりも速く
叫べ胸を張れ 鋼鉄の胸を
(以下著作権の関係で削除)

あのCMで使われている部分の先は…。こんな歌詞なのです。
あの部分の二番は、「燃える空 燃える風 燃える心 進め無敵の力持て」となっています。
実はこの曲自体は割と不幸な運命を辿ってしまった曲で、作詞者は後に失言のため干されてしまったし、歌を歌った歌手は殺人罪で逮捕されてしまったという…。歌自体は、今こうして脚光を浴びて喜んでいるだろう。
話は少し逸れてしまうが、CMで使われる曲を分析すると、景況感の指標になるそうだ。いつぞやTVで見たが、内容のおおよそしか覚えていない。
大まかな指標としては、
1.歌詞(歌詞が全面に出ているもの、BGM的なものとで違いがあるが、視聴者の持つイメージに関わる大きな要素である。商品イメージとの関連があるかないかも大きい。歌詞が無いアレンジでも、有名で視聴者が容易にイメージできると考えられる場合もこれに含む。)
2.音楽アレンジ(アップテンポかスローか、音のボリューム等)
が挙げられる。
代表的な例を挙げてみよう。「リゲイン」という栄養ドリンクがある。
バブル期には「24時間タタカエマスカ」という流行語大賞にもなったフレーズで脚光をあびたCMである。1に関しては、まず商品との関連性は歌詞にそのイメージが含まれ、勇ましい歌詞が全面に押し出されている。2に関していえば、行進曲風のアレンジで、大音量である。その音楽に乗って前進したくなるようなイメージを与えている。
それに対して、平成不況の真っ只中であるころ、音楽には坂本隆一の「Energy Flow」を使っていた。1に関しては、歌詞は無く、商品との関連性も従ってない。しかも使われ方はBGM的である。2に関しては、ピアノの滑らかな、優しい曲調で、音量も小さめである。簡単に一言でまとめればいわゆる「癒し系」な音楽としての使われ方である。
では今回、このCMを分析してみると、1に関しては、商品の特徴イメージを喚起させる「光」、通信をイメージさせる「無限の地平線まで行く」という、歌詞から、商品の関連性は高いといえる。歌詞から受ける印象は、勇ましい。また、有名な歌であるため、ある年齢層にはその他の歌詞が容易にイメージされると考えられる。そのイメージはやはり、勇ましさ、高揚感を与えるだろう。
2.に関して、使われ方は、人気グループの男優が口ずさみながら前へ飛行し明かりが次々点灯してゆく、広がってゆくイメージをあたえる視覚とともに使われる、(先ほど書いたある年齢層の)大人に受けやすいシンプルな曲調のものが1本。そして最近このCMの受けがよい(当初より幅広い年齢層、特に想定していたよりも若年層)ことを受けて出てきた、明るい子供のコーラスにアレンジされ、使われている1本。
この曲がこう使われるところをみると、やはり景況感は上向きなのかもしれない。こういう視点から分析してみると、何となく退屈なCMも、そうではなくなるかもしれない。また、CMカット機能を利用しないで、録画した番組というのも、後々見たときに貴重な資料とみなすこともできるだろう。