生物学的考察

今日は朝のラッシュには逢わずに済んだ*1。いつもより閑散としたホームには2、3羽の鳩が群れている。鳩の歩く様を何気なく見ていて、何故こうも彼らは因果な歩き方をしているのだろうと、ふと思った。一歩一歩ごとに頭を前後にゆする、あの独特の歩き方である。他の鳥には見られない歩き方であるし、陸上では現在最も洗練された歩き方をしないだろうペンギンも、あそこまで一見非効率的な動きはしていない。(ペンギンや絶滅したドードーなどは体軸を中心に体を回転させるようにしてよたよたと歩くから、それはそれで効率が悪いことははっきりしているけれど。)
第一に、頭をあのように前後にゆすることは、視野の大きい変化を伴うはずである。ハトの目は頭の側面であり、遠近感にあまり影響はないから、我々の感じるような気持ち悪さを感じず、そこまで影響はないのだろうとも考えられる。そのため、視覚の不備という面からの淘汰は受けなかったのだろうか。
第二に、鳩の平衡感覚の謎。あれだけ頭を前後していて、耳の奥で感知するべき平衡感覚に狂いは生じないのだろうか。実際鳩が飛行する時、頭はある姿勢に固定されていて、あのような前後の動きはしていない。飛行時の安定した平衡感覚の維持と、歩く際の、頭を前後に振りながらも敏捷な平衡感覚の維持は機構は全く同じなのだろうか?それとも異なる機構を働かせているのだろうか?謎である。
かつて萩本欽一が、弟子であった小堺一機関根勤に、「ボケツッコミの呼吸を勉強するには、公園の鳩を観察するのが一番だ。」と言って、公園で鳩の動きを一日中観察させたという逸話があるが、やはりあの動きはいつ見ても不思議だ。トラファルガー広場とか平和公園とか鳩の群れがある一定以上の個体数になると、微妙にその動きがシンクロしているようにも見えることもあるし、次々と謎が出てくる。またあと何年かは、気が付いたら僕なりに観察してみるつもりだ。
誰か、生物学科動物学専攻の人で、研究してる人はいるのだろうか?結構面白いテーマだとは思うが。
何か知ってる人がいたら、コメントしてください。

*1:上記理由により