本紹介

本紹介しようと思ったが、今回は趣向を変えてアニメ紹介にしよう。
先週NHKで再放送が終了した「未来少年コナン」について。

未来少年コナン 1 [DVD]

未来少年コナン 1 [DVD]

今では「コナン」といえば「名探偵」だが、一世代上の人にとっては、「未来少年」が定番である*1。1978年に日本アニメーションで製作、NHKがテレビシリーズで初放映したアニメである。(その前この放送枠では「NHK特派員報告」というとても硬い番組が放送されていた。)宮崎駿が演出、監督を務めたことで最近にわかに脚光を浴びている。
この作品を知ったのは小学1・2年時代。僕は高畑勲氏の出身校に通っていただため、学級文庫に「アルプスの少女ハイジ」、「母を訪ねて三千里」などの彼がかかわった作品*2のアニメ絵本ものがそろっていた(今やかなりプレミアものらしい)。その中にあったものを見たのが最初だった。漫画クラブに小3のとき入っていたため当然少しは研究もした。
実際アニメを見たのは小5のころ、親戚の家のビデオで10話くらいまで。
そして今回の再放送。というわけで、最後まできちんと見たのは今回が初めてだったわけです。
東西冷戦下の脅威を背景にした作品であるため(25年前)、今から見ればテーマは古い。(宮崎氏の冷戦下と冷戦後の作風の変化と言う意味では共通するテーマ性が見て取れるかもしれない。)良心的な作風と、その当時のアニメーション技術の粋を集めたという意味で、そしてメッセージ性の強さと言う点において、名作といってよく、その後のテレビアニメには、この作品の影響が、作画、技術、絵コンテ、どこかしらに出ている。そういう意味で非常にバランスがいい。
作画枚数も僕が見た限りでは、現在のテレビアニメ平均の約二倍。
設定的にはラピュタのパクリってこっちが先か。でもメッセージ性はこちらのほうがストレート。なんたって冷戦が崩壊しかけてる頃作られたラピュタはエンターテイメントとしてはより上手だけど、混乱が見られる。
SF系のアニメーションで、ちょっぴりシリアスで、人物描写がしっかりしていて、そして何より子供向けの作品で、最近ろくなものがないなかで、これはやはり輝きを放っている作品でしょう。
津波災害のため、一部カットで再放送されたのが少し残念だったが…。

*1:僕の中学の先生はごっちゃにしていて「探偵少年コナン」と発言し「未来少年」を知らない生徒の失笑を買ったことがあるが。

*2:高畑氏は絵コンテで「コナン」にも何作か参加している。