本紹介
昨日、木曜会のメンバーである寺田寅彦を紹介したので、今日は大御所
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1978/08/08
- メディア: 文庫
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つまり、漱石はその思想性を小説と言うオブラートで包んでいるが、そのオブラートがまずいために反ってその思想性が損なわれてしまっている*1。そういう意味では、講演録のほうが、より”素の”思想性を伝えるものであろうと考えられる。(文学者は恐らく{思想性→文学という芸術に昇華}というプロセスの評価の割合が高いのだろう。が、漱石を理解してみようという一般読者にとっては、特に時間の限られている人にとっては、彼の小説をたくさん読むことを僕は必ずしも勧めない。)
なぜか読後疲労を残す小説は、あまり進んで読み返そうという気にならないが、この本は読み返そうという気になる。
*1:とはいっても思想性自体が強いため、全く伝わらない、というわけではない。